甘いミニトマトがたくさん採れる プランター栽培について徹底解説

営農情報

みんな大好き、家庭菜園の定番野菜ミニトマト。

ミニトマトはプランターでも簡単に育てられ、ベランダや庭先など場所を選ばすに栽培することが可能です。

そして重要なポイントを抑えて育てれば、たくさん甘いミニトマトを収穫することもできちゃいます。

今回の記事では、ミニトマトのプランター栽培で重要なポイントを徹底解説していきます。

この記事を読むことで、次のことを知ることがてきます。

ミニトマトの苗と品種の選び方
甘いミニトマトを作るための方法
ミニトマトのプランター栽培の方法

ぜひこの記事を参考にして、ご自宅で甘いミニトマトをたくさん収穫してみてください。

苗の選び方

苗選びは今後の生育や、収量を左右する最初の重要ポイントです。

ここで苗選びを間違えてしまうと、この後どれだけ一生懸命育てても、ミニトマトの収量が減ってしまう可能性も。

[苗選びのポイント]

苗を購入する際は、花が付いているかいないかが重要です。

苗の時点ですでに花を付けている苗は、花の成長に養分を使う苗です。花の数が多ければ実をつける数も多くなり、収量がアップします。

一方で花やつぼみが付いていない苗は、茎や葉の成長に専念してしまう可能性が大です。苗の時点でつぼみや花が無いと、今後も花をつけにくく、実が少なくなる傾向が考えられます。

そのため苗を選ぶ際は、花が一輪咲き掛けている苗を選ぶようにしましょう。

また苗の株元付近を見て、白い毛のようなものがたくさん生えているものが、元気な苗の証拠です。

苗には「自根」と「接ぎ木」の2種類があります。接ぎ木苗の方が値段が張りますが、その分病気や連作障害に強いので初心者におすすめです。

またミニトマトは種からも育てられますが、病気に強くて高収量を目指すには、苗を購入するのがおすすめです。

品種選びについて

ミニトマトにもたくさんの品種があり、どの品種を選べばいいか迷ってしまいますよね。

初心者でも一番育てやすくて甘い品種は

「アイコ」という品種です。ミニトマトで良く発生する、裂果も少ない上に甘くて美味しい品種です。

またどんなミニトマトが食べたいかによって、品種選びが重要になります。皮の薄さや糖度は、品種ごとによって異なります。育て方や栽培環境によっても変化しますが、予めどんなミニトマトを食べたいか決めてから、品種を選ぶようにしましょう。

以下に品種ごとの特性を表にまとめてみました。品種選びの参考にしてみてください。

品種
特徴食味糖度
アイコミニトマトの代表格。病気にも強い甘みが強く、皮や果肉が少し固めで裂果しにくい8~10度
千果収穫量が多い品種。初心者にもおすすめ丸い小粒で甘い品種。アイコよりも皮が薄い8~10度
ぷるるんカゴメから発売されている品種皮が非常に薄くて食べやすい。食感が特徴的甘い
オレンジパルチェオレンジ色のミニトマト。βカロテンを多く含む皮が薄めで果肉が柔らかく食べやすい8~9度

これ以外にもミニトマトは、新品種を含めてたくさんの品種が出回っています。

作付け適期について

ミニトマトの作付け適期は、ゴールデンウィーク前後から、6月の下旬ごろまで栽培可能です。

苗は6月に入ると品薄になるので、5月中やゴールデンウィークの休みを使って購入するのがおすすめです。

用意する資材

ミニトマトのプランター栽培には、下記の資材が必要となります。

  • プランター
  • 鉢底石
  • 園芸用培土
  • 支柱と誘引具

最低でもこれだけの資材を用意します。それでは1個ずつ詳しく解説していきます。

プランター

ミニトマト栽培には、スリット鉢がおすすめです。ミニトマトの根っこは、下に深く伸びる性質のある直根型の植物です。

そのためプランターを選ぶ際は、高さが30㎝ほどあるスリット鉢を選びましょう。

鉢底石、園芸用培土

鉢底石と園芸用培土は、ホームセンターなどで販売しているものを用意します。

園芸用培土はあらかじめ元肥の入った、野菜全般用の培土を買うのがおすすめです。

支柱の選び方

ミニトマト栽培には、実の重さで茎が折れないように、支柱などで株を固定する「誘引」が必須になります。

このミニトマトの誘引方法にはいくつか種類があります。誘引方法によっては、収穫量や必要な資材が異なるため、事前にどの方法で栽培するか決めておきましょう。

  • 直立誘引 1本仕立て
  • 直立誘引 2本仕立て
  • あんどん仕立て

他にもいくつかの方法がありますが、代表的な仕立て方のみご紹介します。

それでは、1個ずつ詳しく解説していきます。

直立誘引 1本仕立て

直立誘引は最も基本的なミニトマトの誘引方法です。1本仕立てとは読んで字のごとく、1本の支柱を直立に立てて、麻紐や誘引クリップなどを使って主枝を誘引する方法です。

ミニトマトは成長過程で、主枝と葉っぱの間からわき芽を伸ばします。このわき芽をすべて取ってしまい、主枝に全集中してミニトマトを実らせる育て方です。

必要な資材は、一株当たり支柱1本(長さ2m、太さ2㎝)と麻紐または誘引クリップです。

直立誘引 2本仕立て

2本の支柱を立てて、主枝とわき芽1本を誘引する仕立て方です。一番最初に咲く第一花房の、すぐ下のわき芽を残してすべてのわき芽を取り除きます。

主枝と1本のわき芽を成長させて、2本でミニトマトをたくさん実らせることができる育て方です。

一方で、主枝と側枝の2本を育てなければならないので、手間が多くてスペースが必要なのがデメリットです。

必要な資材は、一株当たり支柱2本(高さ2m、太さ2㎝)と麻紐または誘引クリップです。

あんどん仕立て

プランターでのミニトマト栽培には「あんどん仕立て」がおすすめです。あんどん仕立てはリング支柱を使って栽培する方法です。ベランダなどの限られたスペースや高さの場所でも管理でき、見た目も良い仕立て方法です。

リング支柱に沿わせてミニトマトを栽培することで、芽かきや収穫などの作業がしやすくなります。ただしあんどん仕立の場合は、主枝と側枝の2本を育てると枝や葉が複雑に絡み合って、管理がしにくくなります。

そのため、あんどん仕立ての場合は主枝のみを成長させて実らせる、1本仕立てにするのがおすすめです。

栽培方法について

必要な資材がそろったら、ミニトマトの苗の植え付けをやっていきましょう。ミニトマトは強い日差しが苦手なため、真夏の直射日光が当たらない半日陰の場所で栽培するのがベストです。

また急激な降雨に当たると、ミニトマトの裂果や病害虫発生の原因となります。プランターは直接雨のあたらない場所に置きましょう。

定植

プランターに植え付ける前に、ミニトマトのポットに水をたっぷりと与えます。

まずはプランターの底に、鉢底石を敷き詰めます。底が見えないくらいに敷き詰めたら、その上に園芸用培土をプランターの8分目まで入れます(プランターの線が8分目の目印です)。

園芸用培土を入れ終わったら、苗を植える場所を手で掘っていきます。

植える場所は支柱の仕立て方によって異なります。

直立誘引の場合は、プランターの真ん中に植えます。

あんどん仕立てにする場合は、リング支柱の足に沿わせて成長させるため、鉢の中心よりずれた場所に植え付けます。

穴を掘ったらカップごと苗を穴に入れてみて、カップ表面と園芸培土の表面の高さが同じになるように調整します。

水平になるように掘れたら、ポットから苗を取り出します。根っこや苗を傷つけないように、そっと取り出して植えます。

定植が終わったらたっぷりと水やりを行いましょう。

支柱を立てる

定植が終わったら、ミニトマトを誘引するための支柱を立てていきます。

それぞれの仕立て方に合わせて支柱を立てていきます。

1本仕立て

1本仕立ての場合は、定植した株の真横に支柱を立てます。そして株が成長するにつれて、麻紐や誘引クリップを使って、茎を誘引していきます。

紐で茎を誘引する時は、本葉の下側に紐をかけるようにしましょう。

2本仕立て

2本仕立ての場合は、プランターの両端に支柱を2本立てます。主枝が成長してきたら麻紐や誘引クリップで固定します。

第一花房真下のわき芽がある程度成長してきたら、もう一本の支柱に誘引させます。

あんどん仕立て

リング支柱の脚を広げて鉢に立てます。このとき1本の脚が植え付けた苗の近くに来るように、立てます。

そして主枝が成長していくにつれて、支柱にらせん状に巻きつけていきます。巻きつけた主枝は、麻紐などを使って支柱に固定するようにしましょう。

水やり

水やりは、ミニトマト栽培の中でも最も重要な作業の一つです。

トマトの水やりのポイントは、土が乾燥気味になるように保ち、控えめにするのが重要です。

少し有名な話ですが、ミニトマトは水やりを控えめにすることで、糖度が高くなる傾向にあります。ただしミニトマトの実は、急激な水分量の変化が起こると、裂果してしまう性質があります。

そのため水やりを制限する際は、雨のあたらない場所で栽培するのがポイントです。

追肥

ミニトマトの追肥のタイミングは、植え付け後30日程度を目安に行います。

ただしミニトマトの株が次のような状況であれば、追肥は控えるようにします

  • 先端の新葉が丸まっている
  • 節間が5センチ以上

少し見分けるのが難しいかもしれませんが、上記のような状態であれば、土壌中の肥料が飽和状態になってます。

ミニトマトは肥料が十分に吸収できていないときは、このようなサインを出します。またミニトマト自体は、それほどたくさんの肥料分を必要としない植物です。そのため追肥のやりすぎは、栽培の逆効果になってしまうため注意しましょう。

芽かき

この芽かき作業は、美味しいミニトマトを収穫するためには、欠かせない作業です。

ミニトマトは葉っぱと茎の間から、わき芽という小さな芽がたくさん出てきます。

このわき芽を取らないと生長が分散してしまい、実をつかせるところも分散してしまいます。そうなると、しっかりとした実が付かなくなってしまいます。

1本仕立てとあんどん仕立ての場合は、全てのわき芽を取ります。

2本仕立ての場合は、第一花房の真下のわき芽を残して、それ以外はすべて芽かきしましょう。

芽かき作業は植え付け後2週間後を目安に行います。

わき芽を根元から横方向にひねると簡単に取れます。

大きくなってどうしても取れない場合は、ハサミを使っても大丈夫です。

またわき芽を土に植えておくことで、根が生えてきて再利用することもできます。

収穫

7月~8月頃、ミニトマトの一番花が咲いてから、約50日前後が収穫の目安です。

段々と赤色に染まってきた実から収穫していきます。とは言え、文章だけではミニトマトの収穫適期を判断するのは意外と難しい作業です。

少しでも適期が遅くなると、実が割れてしまう可能性もあります。前日まではまだ少し青かったのに、今朝になったら割れていたなんてこともしょっちゅうです(#自分で食べるだけだからまあいいか、となりますが。)

鱗滝さんに「判断が遅い!!」と言われる前に、収穫適期を見極めて収穫できるように心掛けましょう。

また、青い状態で収穫してしまったミニトマトでも、追熟を行うことで赤色にすることもできます。

まとめ

自宅で簡単に甘いミニトマトを収穫するための、重要ポイントについてご紹介させていただきました。

甘いトマトを作るためには、初めの品種選びが重要です。

また栽培途中では、水管理や日光の当たり具合なども、糖度の向上に影響してきます。

ぜひ皆さんも、ご家庭で甘いミニトマトを育ててみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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