【お得なきっぷ】 特急南紀号でお得に熊野那智大社へ行く方法

旅行

今回は熊野那智大社や、熊野古道方面への旅行に便利なきっぷをご紹介します。

その名も 「南紀・熊野古道フリーきっぷ」です。

このきっぷを使えば、名古屋~紀伊勝浦間を普通運賃より5,750円も安く往復することができます。また、このきっぷを使うことで、さまざまなな観光施設で特典を受けることができる、大変お得なっきっぷです。

名古屋駅から紀伊勝浦駅を往復する場合、通常の乗車券と指定席特急券を買ったら、15,720円掛かります。

しかしこのきっぷを使えば、往復9,970円で乗れちゃいます。普通のきっぷよりも5,750円も安く移動できるので往復するだけで元が取れてしまいます。

バスのフリーきっぷが貰える特典付きなので、バス代も実質タダになります。

この記事では、超お得な「南紀・熊野古道フリーきっぷ」の購入方法や使い方、乗り鉄歴10年以上の筆者が実際に使ってみた感想をご紹介します。

南紀・熊野古道フリーきっぷについて

「南紀・熊野古道フリーきっぷ」はJR東海から発売されているお得なきっぷです。名古屋~紀伊勝浦間を運行する特急南紀号を利用して、三重県南部や南紀方面の旅行に大変便利です。

お得なきっぷ|南紀・熊野古道フリーきっぷ
JR東海の主な駅情報・列車情報、きっぷ、運賃・乗換、時刻表、路線図などをご案内しています。| JR東海
きっぷの効果
  • 名古屋駅などの出発駅から目的地までの往復の特急指定席に乗車可能
  • JR線が乗り降り自由になるフリーきっぷ
  • 路線バスのフリーきっぷ引き換え券
  • 帰りのきっぷ提示することで、観光施設で特典を受けられる。特典を受けられる観光施設の詳細は下記のURLをご覧ください。

https://railway.jr-central.co.jp/tickets/nanki-kumanokodou/_pdf/benefits01.pdf

またこのきっぷには「伊勢路コース」と「中辺路コース」の2種類あり、目的地や旅行プランに合わせて選ぶ必要があります。

伊勢路コース

伊勢路コースは、三重県の大台町、紀北町をメインに旅行したい人向けのコースです(名前に伊勢が付きますが、伊勢方面のきっぷではないです)。このコースには、下記の効力と特典が付きます。

  1. 出発駅から目的駅までの往復の特急指定席に乗車可能
  2. 三瀬谷駅〜熊野市間の普通列車および特急列車自由席に乗り降り自由
  3. 三重交通の指定区間乗り降り自由になる乗車券
  4. 「かえり券」の提示で観光施設での割引、特典が受けられる

下の図は主要な駅からの発売額になります。出発駅から伊勢路コースのフリー区間内の駅であれば、どこで降りても同じ金額になります。

 

中辺路コース

中辺路コースは、南紀・熊野那智大社方面の観光に便利なコースです。このコースには、以下の効力と特典が付きます。

  1. 出発駅から目的駅までの往復の特急指定席に乗車可能
  2. 熊野市~紀伊勝浦間の普通列車および特急列車自由席に乗り降り自由
  3. 熊野御坊南海バスのフリーきっぷ引換券
  4. 「かえり券」の提示で観光施設での割引、特典が受けられる

下の図は主要な駅からの発売額になります。出発駅から中辺路コースのフリー区間内の駅であれば、どこで降りても同じ金額になります。

発売箇所

きっぷを買うためには、JR東海の東海地方の駅で買う必要があります。遠くて買いに行けない方は、JR西日本のインターネット予約サービス「e5489」でも購入できます。

  • JR東海の主な駅 東海道本線(二川~近江長岡)、飯田線、武豊線、高山本線(長森~飛騨古川)、中央本線(金山~木曽福島)、太多線、関西本線(八田~亀山)、紀勢本(下庄~多気)、名松線及び参宮線の「きっぷうりば」がある駅。
  • 上記駅周辺にある主な旅行会社の支店・営業所
  • JR西日本のインターネット予約サービス「e5489
注意事項
  • ゴールデンウィークとお盆、年末年始は利用できないのでご注意ください。また、きっぷは連続した3日間しか利用できません。
  • 利用開始日とご利用人数は1回のみ変更可能
  • 往復それぞれ1回ずつ指定席の変更が可能(利用開始日を変更した後でも1回だけ変更可能)
  • 新宮~紀伊勝浦間を特急列車の自由席を利用して移動される場合、「特急南紀号」には自由席に乗車可能です。ですが特急南紀とは別の、「特急くろしお号」には自由席がありません。なので、くろしお号に乗る場合はデッキに立ってのご乗車になります。

実際に使ってみた感想

ここからは、筆者が中辺路コースを実際に使ってみた感想をご紹介します。実際に行ってみて良かった観光地をいくつか挙げてみたので、ぜひご旅行の参考にしてみてください。

旅行は2泊3日で、紀州の美しい歴史と自然の美を堪能します。以下に今回の旅行工程を添付します。

 

1日目

名古屋から紀伊勝浦へ

特急南紀で使用されているキハ85 系

まずは名古屋から、8:02発の特急南紀1号で目的地の紀伊勝浦駅まで向かいます。事前に一番先頭の席を予約しておいたので、全面展望を楽しみながら移動します。

旅行時は写真のキハ85系で運転されていましたが、2023年7月1日から特急南紀号はすべて、新型車両のHC85系で運転されます。新型車両では客席と運転席の間に壁があるため、全面展望が出来ないのが残念です。それでも新型車両も窓は大きめに設計されているので、ワイドビューな景色が楽しめます。

HC85系

特急南紀号が通る紀勢本線は、海あり、山あり、谷ありの風光明媚な路線です。名古屋駅から終点の紀伊勝浦駅まで約4時間も掛かりますが、飽きる事なく車窓を楽しめる素晴らしい路線です。

特急南紀号の車窓

「海側の景色を楽しみたい」という方は、進行方向左側のA席を予約するのがおすすめです。A席なら紀伊長島駅出発後と、尾鷲駅出発後、新宮駅出発後にオーシャンビューを楽しむことができます。しかし、その代りA席にも欠点があります。晴れた日の午前中に乗る場合、A席はもろに直射日光が当たってしまうことです。日差しが眩しい上に夏場は熱くなるので、A席に座る際は考慮しておいた方が良いです。

風光明媚な車窓を4時間楽しんだら、終点の紀伊勝浦駅に到着します。

バスフリーきっぷの交換

駅に到着したら忘れないうちに、熊野御坊南海バス引換券をフリーきっぷに交換してもらいます。紀伊勝浦駅では、駅を出て左手にある熊野御坊南海バスの窓口で交換してもらうことができます。紀伊勝浦駅以外では、新宮駅前でも引き換え可能です。引換券ではバスに乗れないので、忘れないうちに引き換えてもらいましょう。

 

続きまして昼食にします。

今回訪れたのは、こちらの桂城さんです。

昼食で訪れた桂城さん

ここでは、紀伊勝浦で有名なマグロやクジラ料理をいただくことができます。筆者はマグロ定食を注文しました。

マグロ定食の一部

マグロ定食はコース料理のように1品づつ料理が提供されるので、写真はのごく一部です(#食べるのに夢中で撮影し忘れました。)

今回特別に、お店の大将がクロマグロの御頭のさばきを見せていただきました。

巨大なクロマグロの頭を目の前で捌いてもらう

昼食の後は、紀伊勝浦駅から徒歩5分ほどにある、紀伊勝浦にぎわい市場を訪問します。

勝浦漁港にぎわい市場 - ~ マグロ解体ショー毎日開催中! ~
~ マグロ解体ショー毎日開催中! ~
  • 営業時間 8:00~16:00(飲食店のオーダーストップは15:30)
  • 毎週火曜日 休館日

紀伊勝浦にぎわい市場

生のまま水揚げされるマグロとしては、日本一の水揚げ量を誇る紀伊勝浦港のすぐそばにあります。水揚げされたばかりのマグロの切り身などを買ったり、その場で食べることができる観光施設です。また営業終了時間際に行くと、割引されてお値打ち金額で買うことができます。

またこちらには、釣り竿のレンタルサービスもあります。2時間1,000円でレンタルでき、目の前の紀伊勝浦港で釣りを楽しむことができます。電車の待ち時間などに気軽に釣りを楽しめるので、筆者も1時間ほど釣りをしてみました。

高級そうな魚も釣れました(#キジハタかな?)。

魚をリリースして釣りを楽しんだ後は、紀伊勝浦駅に戻り、特急南紀8号で熊野市駅まで向かいます。この日は、熊野市駅周辺のビジネスホテルに1泊します。

2日目

鬼ヶ島観光

2日目は早朝から、熊野市駅の近くにある観光地、鬼ヶ城へ向かいます。鬼ヶ城へは路線バスが運行されていますが、早朝は運行されていないため徒歩で向かいます。 わざわざバスが運行されていない早朝に出発した理由は後ほどご紹介します。徒歩でも20分ぐらいで到着します。

鬼ヶ城は地形の隆起と、風化と波の侵食によって生じた奇岩が、熊野灘に面して1km続く景勝地です。

世界遺産 鬼ケ城(おにがじょう・三重県熊野市)
三重県熊野市「鬼ケ城(おにがじょう)」

おすすめの時間帯は、朝陽が奇岩の中まで入り込む早朝の時間帯です。

写真のように岩の奥まで日の光が差し込み、表面のデコボコによって陰陽ができます。鬼ヶ島へ行くなら絶対早朝がおすすめです。

この鬼ヶ島は小さな半島のため、1時間以内で1週ぐるっと回ることができます。

鬼ヶ島は基本的に歩道が作られていますが、一部足場が悪い所があります。全面デコボコの岩だらけなので、つまづいて転ぶと絶対痛いので注意しましょう。

鬼ヶ島を観光した後は、再び熊野市駅へ戻ります。

波田須駅周辺で撮り鉄

熊野市駅からは普通列車に乗り込み、波田須駅で降ります。ここからは、紀勢本線沿いの有名撮影スポットを巡ります。

この先は鉄ヲタである筆者がどうしても行きたかった、撮影地訪問がメインになります。一般的な観光地は紹介されていないので、興味のない方は3日目までお進みください。

まず訪れたのは、高台から紀勢本線と熊野灘を見渡せる撮影スポットです。

午前中に訪問したら逆光になってしまいました。午後や夕方の方が順光になるようです。

撮影の後は、波田須駅の近くにある「天女座」で昼食をいただきました。波田須駅付近にはここしか飲食店がありません。訪問した時は、コロナ対策のために事前予約が必要でしたが、予約なしでも入れてもらえました。

天女座は、以前はトヨタ自動車の部品工場の跡地だった建物を改修したお店だそうです。熊野灘を見渡せる高台に位置しており、店内からはオーシャンビューを眺めることができます。

こちらで注文したのは凪あすカレーと塩サイダーセットです。

この波田須周辺は、TVアニメ「凪のあすから」の聖地となった場所です。天女座も凪のあすからの聖地のひとつで、アニメにもほんの少し登場します。そんなこんなで、店内には凪のあすから関連の料理や展示品がたくさんあります。アニメファンの方でも満足できそうです。

昼食の後は、次の撮影スポットに向かうため、町営バスに乗って移動します。

新鹿駅付近で撮り鉄

次にやってきたのは、新鹿駅付近にある有名撮影スポットです。

コバルトブルーの新鹿湾を背景に、紀勢本線を走る列車を撮影することができます。インスタ映え間違いなしのスポットです。

一通り撮影が終了したら、回り道をしながら新宮駅へ移動し、ビジネスホテルで一泊します。

3日目

3日目は新宮駅からスタートして、紀州の有名観光地を巡ります。まずは紀伊勝浦駅へ移動して腹ごしらえをします。

朝食で訪れたのは、紀伊勝浦駅から徒歩圏内にあるハーバー食堂 日の出丸さんです。

このお店は朝7時から営業しており、「これぞ朝食の見本」と言わんばかりの完璧な健康朝御飯がいただけます。ビジネスホテルに宿泊された方なら、値打ちの朝食セットを提供しているので朝飯にはうってつけです。

健康朝御飯以外にもマグロ丼などもあるため、朝からリッチにマグロざんまいすることもできます。

那智の滝、那智熊野大社観光

朝食を済ませたら那智の滝、熊野那智大社を観光するために、南紀熊野古道バスに乗ります。フリーきっぷを使って追加料金なしで乗ります。

バスに揺られれること約40分、那智の滝前バス停に着きます。本来であれば、大門坂バス停で降りて、石畳の熊野古道を散策しながら巡るのが王道ルートです。ですが、今回のスケジュールの関係で割愛しました。大門坂の景色も素晴らしいので、体力に自信のある方は大門坂バス停から挑戦してみてください。

那智の滝前バス停を下りると、すぐに鳥居が見えます。

鳥居をくぐって少し進んだ先に那智の滝があります。那智の滝の近くへ行く場合は拝観料が必要です。

那智の滝の次は那智熊野大社まで徒歩で移動します。

那智熊野大社参拝後は、近くにある那智山青岸渡寺(三重塔)に行きます。こちらは、南紀熊野古道フリーきっぷのかえり券の提示で、拝観料が2割引になる特典があります。是非とも特典を利用したいところです。

 

 

参拝の後は一度紀伊勝浦駅まで戻り、昼食にします。最後の昼食に訪れたのは、お食事処大和さんです。このお店の名物であるマグロ丼「特製大和丼」をいただきます。

くじらの博物館観光
太地町立くじらの博物館
世界一のスケールを誇るくじらの博物館には、鯨の生態や捕鯨に関する学習・教育資料などおよそ1,000点に及ぶ貴重なものが展示されていて、わが国捕鯨発祥の地として昔から現代までのおよそ400年の歴史を目の当たりに興味深くひもといていただけます。

続いて昼食後に訪問したのは太地町にある、太地町営くじらの博物館です。こちらの施設は南紀熊野古道フリーきっぷの帰り券の提示で、入館料が100円割引されます。フリーきっぷと相性の良い観光スポットです。

紀伊勝浦駅から、くじらの博物館までのアクセス方法は2種類あります。

パターン1 陸路で電車とバスを乗り継いでいく方法

陸路で行く場合のメリットは、運賃が安いことです。フリーきっぷのエリア外になりますが、片道190円で行くことができます(だだし特急利用の場合は別途特急料金が必要)。

また、太地駅からくじらの博物館までの町営バスも無料で乗ることができるので超お得です。

太地町営じゅんかんバス

デメリットとしは、本数が少ないことと太地駅で乗り換えの手間があることです。

パターン2 船に乗って海路で行く方法

勝浦桟橋から紀の松島観光船を利用していく方法です。船のメリットは移動しながら観光できることです。冒険気分を味わいながら移動することができるので、船酔いしない方ならこちらがおすすめです。デメリットとしては、運賃が割高なのと、就航本数が少ないことです。また、毎週水曜日は運休になるので注意が必要です。筆者も水曜日に訪問したので、乗れませんでした。

今回は陸路でくじらの博物まで向かいます。

イルカやクジラのショーや、クジラやイルカの生態、捕鯨に関する展示が見れます。

なかでも筆者がおすすめしたいのは、イルカへのエサやり体験です。他の施設ではなかなか体験できない、至近距離でイルカにエサをあげることができます。エサの小魚を持っているとイルカが寄ってきて、「エサくれ」アピールをしてきます。ハートがきゅんきゅんしちゃうぐらい可愛いです。

また、予約すればイルカに触る体験もできるようです。興味のある方はぜひ体感してみてください。

帰宅

くじら博物館を楽しんだ後は、紀伊勝浦駅に戻って17:11発の特急南紀8号で帰路に着きました。

まとめ

南紀・熊野古道フリーきっぷの詳細と、筆者が実際に使ってみた感想について説明させていただきました。

3日間で南紀の魅力を充分過ぎるほど味わえました。たとえ往復するだけでも、簡単に元が取れてしまいます。たいへんコスパの良いきっぷです。

名古屋を経由して南紀、熊野古道方面へのご旅行の際は、このきっぷのご利用も検討してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

 

 

農業や旅行関係の情報発信しているミワッカと申します。現在、農業と旅行で自由に生きられる働き方を模索中。

多趣味なので、たまに違う内容の記事も投稿します。

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