むしっても生えてくるお家の雑草に嫌気がさしていませんか?
炎天下の草むしりは、一歩間違えば命取りの作業です。
必死に草刈りしても、上弦の鬼レベルの再生力を持っている雑草は、1か月もしないうちにまた生えてきます(#その再生力、反則じゃない?)。
そこで草刈り作業を軽減するために、除草剤を使ってみたいと思いホームセンターへ行っても、種類が多すぎてどれを選べば良いか分からくなってしまいます。
さらに、「使い方がよく分からない」や、「安全性が気になる」などの疑問が次々と湧いてきて、非常に手が出しにくいのが事実です。
しかし使用場所や目的を確認して、適切な除草剤を使えば、安全に煩わしい草取り作業から抜け出すことができます。
この記事では、後悔しない除草剤の選び方と使い方をご紹介します。
早く結論を知りたい方のために、先にネタバレしておきます。
以下のフローチャートに従って選ぶと、自分の目的に合った除草剤を選択できます。
草刈機の選び方については、こちらの記事をご覧ください。
目次
除草剤の安全性について
除草剤の使い方を説明する前に、除草剤を含めた農薬の安全性を理解するため、農薬の歴史について簡単に説明します。「除草剤って安全なの?」や「農薬とはそもそも何ぞや?」ということが分かります。
そんな事より、早くお家の雑草を滅殺したい方は読み飛ばして大丈夫です。
農薬の歴史
日本での農薬の歴史は、江戸時代にクジラの油を田んぼに撒いてイネの害虫を払い落とす方法が取らており、クジラ油の農薬は昭和初期頃まで使われていました。
草取りに関しては、昭和初期までは化学的な除草剤は無く、人海戦術で草取りをしていました。そのため、田んぼ一枚当たりの草取りに50時間かかっていました。
このように日本の農業では戦後まで、とんでもなく地球に優しいSDGsな農業をしていました。
そして、戦後の1948年頃にアメリカから化学農薬や除草剤が導入されるようになり、草取りや農作業に革命が起こります。
とんでもない重労働だった草取りを軽減させた除草剤は、戦後の日本の農業にとって画期的な存在になりました。その後は、より強力な除草剤を作るための開発が行われるようになります。
除草剤=危険は過去の話
しかし戦後すぐに使われていた除草剤には残留性があり、撒いた後もしばらく土の中に残り続けました。当時は除草剤の成分の有害性がしっかり確認されないまま使用されていたのです。
その後は成分の危険性が判明したため、使用が禁止されることになります。
また、ベトナム戦争で除草剤が使用されたこで、余計に悪いイメージが定着してしまいました。
そのような背景があり、「農薬は危険な物」というイメージが浸透してしまいました。
現在の農薬は
ここで時を戻して現在の話に戻ります。
戦後に使われていた除草剤は、完全に使用販売が禁止されました。
超難関試験をクリアした、安全性が確保された農薬しか出回っていないため、安心して農薬を使っても良い時代になりました。
どうしても除草剤は悪者的なイメージが先行してしまいまずが、使い方さえ間違えなければ実はイイやつなんです(#安心してください。安全ですよ!)。
除草剤の種類と選び方
除草剤には大きく分けて、液剤タイプの茎葉処理剤と、粒剤タイプの土壌処理剤の2種類あります。
液剤タイプにはさらに、接触型と移行型の2種類に分けられます。
違いが分かりやすいように、以下の表にまとめました。
除草剤は、使用目的に合ったものを買う必要があります。間違ったタイプの除草剤を購入してしまうと、まったく効果を発揮せずにお金だけ失ってしまいます。
損をしないためにも除草剤の購入前に、使用目的をはっきりと確認しておきましょう。
選ぶ時の留意点
除草剤を撒きたい場所が畑だったり、農作物を育てる予定のある場所であれば、必ず農耕地用の除草剤を選ぶようにしてください。
さらに、育てた農作物を市場などに出荷したい方であれば、その除草剤が自分が育てている作物に適応した除草剤であるかどうかを確認するようにしましょう。
除草剤の裏面を見ると、効果のある雑草と希釈倍率、適用作物を確認することができます。
除草剤の撒き方
液剤タイプの撒き方
除草剤の撒き方は種類によって異なります。液剤の場合は水で希釈して、噴霧器で散布する必要があります。
そのため液剤タイプの除草剤を使う場合は、農薬噴霧器が必要になります。
小面積なら専用のジョーロをつかうのも良いです。ジョーロを使う場合は、完全に水やり用と農薬散布用に分けるようにしてください。
ちなみに筆者は、噴霧器の方がむらなく撒けるので、噴霧器を利用するのがおすすします。
写真のように、3リットルほどの小型の噴霧器もあります。
農薬の希釈方法は文章で説明すると難しいので、農薬希釈に便利なアプリをご紹介します。
このアプリは、作りたい液量や撒く面積を入力することで、水と原液をどれだけ混ぜれば良いか一目で分かる大変便利なアプリです。
筆者も結構つかっています。とても便利なので使ってみてください。
それでも数字や計算が苦手で、なるべく手間を掛けたくない方は、初めから水で薄められた除草剤もあります!
それがこちらのラウンドアップマックスALです。
最初から水で薄められていて、口元がジョーロ型になっているので、買ってすぐに撒くことができます。原液のラウンドアップよりも割高ですが、水で希釈する手間が省け、散布機を買わなくて済むため、初めての方におすすめです。
粒剤タイプの撒き方
粒剤タイプは、まだ草が生えていない時期に粒をばらまきます。
粒状タイプは一度撒くと、長期間に渡って効果が持続するので、極力手間を掛けずに済みます。
粒剤タイプの除草剤の注意点は、観賞用の樹木や垣根までにも影響を与えてしまうことです。
特に家の庭に撒くときは、近くに枯らしたくない樹木が無いかを確認しましょう。
家の庭に樹木が無くても、お隣さんの家に樹木がある場合は、隣接する付近には撒かないようにしましょう。塀越しであっても除草剤の流れ弾が当たってしまう可能性もあります。
おすすめの除草剤
ここからは、種類ごとにおすすめの除草剤をご紹介します。
液剤タイプ 接触型
プリグロックスL
- 中級者向け
- 価格が安い
- 即効で雑草が枯れる
- 農地でも使用可能
- 噴霧器が必須
- 毒性が強く、取り扱いに注意が必要
接触型の代表的な存在です。朝撒けばその日のうちに草が枯れるほどの即効性があります。
価格も他の除草剤に比べて安く、お財布に優しい除草剤です。
撒かれた液剤は、すぐに土壌分解されるため、散布後に花木を植えることもできます。
撒くときは噴霧器で散布する必要があるため、噴霧器が必要です。
また医薬用外毒物に指定されているため、購入時に印鑑の押印と身分証明書の掲示が必要になります。家で保管する時も、第三者が間違って誤飲しないように保管する必要があります。
毒性が強い除草剤ですが、誤って飲んだり川に流したりしなければ、メリットの多い除草剤です。
プリズロックスは、毒劇物の販売が許可された店舗でしか販売されていないため、ホームセンターか農協などで購入する必要があります。
液剤タイプ 移行型
ラウンドアップマックスロード
- 初めての方向け
- 迷ったらコレ
- 便利なシャワータイプもあり
- 散布後1時間後の雨に強い
- 散布後は微生物によって分解され土壌に残らない
茎葉に掛かった薬剤が吸収され、根まで枯らすことができます。そのため撒いた後しばらくは、雑草が生えにくくなります。
自宅に噴霧器が無くても、シャワータイプもあるため、買ってそのまま使用することができます。
一方で強力なスギナなどの雑草には、濃い液剤を散布する必要があるため、自分で希釈して使用するのがおすすめです。シャワータイプを使うと濃度が調節できないため割高になります。
粒剤タイプ
ネコソギ
- 最長9ヶ月もの持続性がある
- 効果が出るまで1週間程度掛かる
- ある程度伸びた雑草も枯らす
- 花木にも影響を及ぼしてしまう
- 農地では使用できない
ただし一度撒いてしまうと、その土地は不毛地帯と化してしまうため、農地や庭での使用はできません。
除草王
某自動車買い取りメーカーのニュースで話題になった除草剤です。効果は説明しなくても、ニュースをご覧になった方ならご存知なほど強力な効果があります
まとめ
現在販売されている除草剤は、農林水産省が定める厳しい試験により、安全性が確保されています。
そのため、身体や環境にも影響が少なく、安心して使用することができるのです。
使用目的に合った除草剤を選び、適切に使用すれば煩わしい草取りを軽減することができ、時短にもつながります。
目的にあった除草剤を購入して、除草作業の軽減に繋がれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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