GRヤリス RSグレードの性能や使い心地は実際どうなの?
そんな疑問を持って、ネットでGRヤリスRSについて検索してみても、実際に普段使いしている個人のレビュー記事が少ないと感じました。特に、影の薄いRSグレードに関しては少ないです。
この記事をご覧いただいて、GRヤリスが気になっている方の参考になれば幸いです。
目次
GRヤリスについて
GRヤリスは、トヨタ自動車が「レースに勝つために、そこで出す車のために、普段使いのお客様に乗っていただく車はどうあるべきか」、という発想で造られた車です。
WRCなどのモータスポーツに出す車は、今までは、市販車をベースにして改良を加えた車をレースに出すのが従来の手法でした。しかし、このGRヤリスは、予めモータスポーツの要素を組み込んだ車を市販化するという、逆転の発想で造られたスポーツカーになります。このGRヤリスには以下の4グレードが準備されています(GRMNは除く)。
RZ”High performance”
- 1.6Lターボエンジン「G16E-GTS」
- 6速マニュアル
- トルセンLSD搭載
- 四輪駆動システム「GR-FOUR」搭載
- 冷却スプレー機能付きインタークーラー搭載
- BBS製鍛造アルミホイール+ミシュラン PilotSport 4Sラジアルタイヤ標準装備
- モリゾウのサイン入りフロントガラス
- 車重 1280Kg
- 金額 4,560,000円~
RZ
- 1.6Lターボエンジン「G16E-GTS」
- 6速マニュアル
- 四輪駆動システム「GR-FOUR」搭載
- 車重 1280㎏
- 金額 3,960,000円~
RC、RCライトパッケージ
- 1.6Lターボエンジン
- ラリー、ダートラ競技を考慮したフロントブレーキとフロントサスペンション
- ディスプレイオーディオなし
- エアコンはオプションで追加
- 安全予防パッケージ、スマートキー、バックカメラなし
- RCライトパッケージは、RCをベースに遮音材、リアシート、リアゲートダンパー、リアスポイラー、塗装などが排除され軽量化されたモデル。
- 金額 3,300,000円~
RS
- 外装はRZ・RCグレードと共通
- ノーマルのヤリスと同様の1.5L自然吸気エンジン「M15A-FKS」
- 前輪駆動「FF車」
- 車重 1130㎏
- トランスミッションはダイレクトシフトCVT
- シーケンシャル10段階変速MTモードを搭載
- 電動パーキングブレーキ搭載
- 金額 2,650,000円~
筆者はこのグレードの中から、比較的手の出しやすいRSグレードを選択しました。ちなみに、トータルの購入金額は3,270,000円でした(ほぼ値引き無し)。
また、購入当初は車の知識が全くゼロのペーペーだったので、車に詳しい方は、温かい目でこの記事をご覧いただけたら幸いです。
それでは、本題のGRヤリスRSグレードのメリット・デメッリトを紹介していきます。通勤・買い物などの普段使いから、ジムカーナ練習会での活躍も踏まえながら、ご説明していきたいと思います。
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初心者でも簡単に参戦できるモータスポーツ「ジムカーナ」については、こちらの記事をご覧ください。
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メリット
- ボディー剛性がしっかりしている。そのため、きついコーナーでも安心して曲がれる
- 上位モデルのRZと見た目はほぼ一緒
- 街乗りだけならRSで充分
- 坂道などで便利な10段階変速MTモード
- 「いい車乗ってるね」と言われる
- 他の車と被りにくい
- 何よりカッコいい
ボディー剛性がしっかりしている、安定して曲がれる
GRヤリス RSグレードは、上位モデルのRZやRCグレードに比べるとエンジンのパワーなどは劣ります。ですがボディー剛性は上位モデルと一緒なので、コーナリング時の安定性は抜群です。
普通の軽自動はなどでは曲がり切れないくらいのオーバースピードでコーナーに進入してしまっても、しっかり踏ん張って曲がってくれます。
そこで遅い車でもスピードが出る、峠道の下り坂なら実力を発揮するのではないかと思い、攻めてみました。コーナーはしっかり曲がれるももの、ブレーキの効き具合はRZやRCに比べて弱いため、減速するのに時間が掛かり、ガードレールとお友達になりかけました。
間違えてもこの車で峠は攻めない方が良いと思いました(そもそも公道で練習するのは危険ですので絶対にやめましょう)。
RZと見た目はほぼ一緒、街乗りだけならRSで充分
RSグレードは、見た目だけならRZやRCグレードとほぼ同じです。「RZグレードは高くて買えない」という方でも、同じデザインの車を買えるので、少し得した気分になれます。
RSグレードは金額が安い分、エンジンの排気量などRZやRCグレードに劣る部分は多いです。ですが日本の一般道でRZやRCグレードなどのパワーを発揮できるほどの道は無いです。
坂道などで便利な10段階変速MTモード
RSグレードのみに装備されている10段階変速MTモードは、急な下り坂などで減速したい場合に、エンジンブレーキを使って減速することができるので便利です。
RZグレードほどではないですが、加速時に活用するとエンジンの回転数を自分で調整できるので、通常よりも早く加速できます。
その他のメリット
台数自体がそれほど多くは無いので、他の人と被ることも少ないです。
GRヤリスはWRCなどで超カッコいい走りを見せてくれます。そんなWRCに出場している車と同型の車に乗れているので、運転しているときの優越感が半端ないです(ドライバーの腕は別として)。
また、知人などに「車は何乗ってるんですか?」と聞かれた場合、一番下のグレードであっても、「GRヤリスです」とまとめてGRヤリスと言えてしまえるので、多少得した気持ちになれます。
次に、デメリットに感じるところを上げます。
- 加速がイマイチ
- 排気音、エンジン音がおとなしい
- 本格的なモータースポーツには不向き
- 10段階変速MTモードはそこまで使わない
- 前方と後方の視界が悪い
- シートベルトが奥にあるので締めにくい
- ボディーのアルミ部分が非常に弱い
加速がイマイチ、排気音エンジン音がおとなしい
エンジンの排気量が1500ccと少ないため、加速やエンジン音が大人しい所です。街乗りだけなら1500ccでも十分なのですが、スポーツカーらしい加速やエンジン音が味わいたいなという方には物足りない車になります。
本格的なモータースポーツには不向き
ジムカーナなどのモータースポーツに参加したいと考えている方には、RSグレードはおすすめできないです。理由は、先にも述べたように、エンジンが1500ccのCVTであることと、ハンドブレーキではなく電動パーキングブレーキである点です。やはりエンジンのパワーが無いため、スタートからの加速や、コーナーからの立ち上がりがどうしても遅くなってしまいます。
また、電動パーキングブレーキであるため、サイドターンができないため、180度コーナなどででどうしても時間が掛かってしまいます(筆者はGRヤリスを購入後にジムカーナの存在を知ったので、初めはモータースポーツをやるつもりはありませんでした)。
しかし、ジムカーナなどのモータースポーツによっては、ツーペダルやノーサイドの車向けのクラスが用意されているので、あえてRSグレードでモータースポーツに挑戦するのは全然有りだと思います。逆に、CVTであるためシフトチェンジに気を使わなくて良い分、ステアリングに集中できる利点もあります。また、サイドターンが出来ない分、タイヤの摩耗も減るというエコで持続可能なメリットもあります。
10段階変速MTモードはそこまで使わない
10段階変速MTモードはそんなに活躍する場面が無いです。先ほど、メリットの部分で急な下り坂や、自分でエンジンの回転数を調整したいときに10段階変速MTモードがあると便利だと書きました。しかし、それ以外の日常生活で10段階もの変速MTを使う場面が少ないからです。さらに、最近の車では、パドルシフトによるMTモードが装備された車も増えているので、あまり特別感も感じません。
また、ジムカーナの種類やクラスによっては、パドルシフトの使用を禁止している場合も多いので、全く活躍できない事の方が多いのです。筆者は最近、リズムよくカチカチと交互に押して遊ぶことの方が多いです。
前方と後方の視界が悪い
次に、ここからはすべてのグレードで共通しているデメリットになります。まずは、前後の視界が悪い点です。前方に関してはバックミラーが左前方の視界を邪魔しているため、前がとても見にくくなっています。また後方に関しては、リヤガラスの面積がとても小さいため、とても後方視界が悪いです。バックする時には、目視で後方確認するのは絶望的なぐらい見にくいです。しかし、後方視界の悪さを解消するために、RZとRSグレードにはバックカメラが標準装備されているので、バックモニターを見ながら安全にバックすることができます(ただし、RCにはバックカメラとセンサーが標準装備されていないので、めちゃくちゃバックするのに苦労するそうです)。
シートベルトが奥にあるので締めにくい
シートベルトの位置が若干奥にあるため、シートベルトが取りにくくて締めにくいです。シートに座った状態からシートベルトを取ろうとすると、かなり手を伸ばさないとベルトに届かないです。僕は手が短い方なので、この点に関しては個人差があるとは思いますが、助手席に同乗した友人からも「シートベルトどこにあるの?」と言うような、同様の意見がありました。しかし、このシートベルトが取りにくい問題に関しては、慣れてくるとそこまで気にならなくなります。
ボディーのアルミ部分が非常に弱い
GRヤリスはボディーがアルミ素材の部分が多いため、へこみやすいです。GRヤリスはボディーにアルミが多く使われています。アルミは軽いですが、強度は他の金属よりは弱いです。そのため、試しにGRヤリスのフェンダー部分を軽く押すと、軽くへこんでしまい、手を放すと元に戻ります。そのくらいGRヤリスのボディーは柔らかいです。普通の車なら耐えられる衝撃でも、GRヤリスの場合は耐えられない場合があります。筆者は、サイドステップに空の水筒を落としてしまい、サイドステップがへこんでしまうという失態を犯しました。なので、顔は強そうな面持ちですが、ボディーは軟な部分が多いので、何かをぶつけたりしないように気を付けた方が良いです。ちなみに、サイドステップも幅広に設計されているため、乗り降りも多少しずらいです。
まとめ
メリット・デメリットを紹介してきましたが、最終的にデメリットの方が長文になってしましました。
しかし、決して他のグレードより劣っていると言うわけではありません。
筆者自身、この車に走る楽しさを教えてもらいました。自分に合ったグレードを選べば、絶対に買って後悔のしない車だと思います。
以上でGRヤリス RSグレードのレビューを終わります。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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